「実践力を鍛えるビジネス文書研修」
研修概要新入社員の「ビジネス文書研修」は、毎年「コミュニケーション研修」の括りで行っていたのですが、せっかく「ロジカルな伝え方」を学んでも、どういうわけか「文書」となるとそれが活かせない。
なんとかしたいと考えていたときに、市進の企業向けオープンセミナーに参加したのがきっかけです。
その時に、市進の考え方―「ポイントを先に伝えるのではなく、ポイントそのものを考えさせる」という、受講者中心の考え方―に共感し、これは社内の研修に取り入れたいと考えました。
常々、受けるだけで定着しない研修に疑問を感じていたので、この手法で変えられるのではないかと思いましたね。
とにかく「考えさせる」こと。研修の場だけでなく、その後も継続して「考えさせる」ようにしたかった。そこで、「答え」や「手本」は伝えない、配らないようにしてもらいました。
「答え」を知ってしまうと、せっかく自分で他の解答を考えていたとしても、結局「答えがすべて」で「正しい」ものになってしまう。それでは身に付かないし、現場で応用できない。
講師の立場では解答を示すほうがずっと楽で、受講者もスッキリ満足するでしょうが、そこをあえて「もやっ」とさせたままでいいと、私は考えていました。
そういう点で、「『受講して終わり』ではない研修」をしてほしい、と依頼しました。むしろ「アンケートで満点を取る研修」のほうが簡単(笑)。今回の注文は難しかったと思いますよ。
市進には期待どおりの実施をしてもらえたと思っています。
受講者は、やはり「答え」を求めたがるんですね。だから「もやっ」としたままだったかもしれない。でも「もやっ」とすることで「考える」ことになる。それは今後何年かかってもいいと思ってるんです。
その点は狙い通りの反応です。 「ビジネス文書」には「正解」がない。相手や状況に応じて自分で考え、時には失敗して、その時に「あの研修でやったのはこういうことか」と気付く、それでやっと身に付くものです。
研修では、ビジネス文書でのルールを、新入社員が自分たちで考えを出し合って決め、「ルールシート」を作りました。今後、それを基に「考え続けて」くれればいいと思います。
今回受講した新入社員には、ビジネス文書に限らず、失敗して、怒られて、振り返るという経験を積んで、成長してほしいですね。