2026.07.30
予備校的思考論
細谷です。久しぶりのメルマガになりました。
年始に「今年は月1回のメルマガを発信する」と掲げたものの、三日坊主ならぬ一回坊主止まってしまい、ようやく再開となりました。昨年の年末のご挨拶では、1年の分換算、2万5,600分の「分」を意識したいと言っていましたが、気づけば30万分が経っていたというのが正直なところです。
私自身この数カ月は、管理職向けの新作コンテンツの開発、AI時代ゆえの人が人に教えるときに求められる講師スキルの整理、そしてアナログ探究で洞察力を鍛えるテストフォーミュレーションのリニューアルなど、人間の学習のあり方の転換期に適応しうる学習設計の開発に没頭していました。
特に、自分がこれまで取り組んできた活動を体系化し、人材開発・組織開発の領域でどのような専門性で価値提供できるかに力を注いだ時間でした。
私の専門はインストラクショナルデザインやリーダーシップ開発ですが、その源流には、塾予備校での生徒指導や講師育成があります。そこには常に「人」が存在していて、一人ひとり異なる学び方や価値観を持つ子どもや大人と向き合いながら、
「どうすれば学びの面白さを伝えられるか」
「どうすれば自律的に学ぶ力を育てられるか」
「どうすれば教えすぎない講師を育成できるか」
そんな問いを繰り返してきました。この原体験が、今の人材開発・組織開発のアプローチの基盤になっていると改めて感じています。
予備校というと、暗記中心・効率重視というイメージがあるかもしれませんが、実際に鍛えるべき力はもっと多層的です。
最近では「本質を見抜く力」「批判的に考える力」「創造する力」といった認知能力に加えて、「やり抜く力」「感情を整える力」「他者と協働する力」といった非認知能力の習得が学校教育だけでなく、私たち塾予備校の領域でも求められています。教育心理学では、成果を生むのはこの認知能力と非認知能力の掛け合わせであることが繰り返し示されていますが、これはビジネスで成果を上げるリーダーに求められる力とも重なります。
もちろん、子どもと大人では発達段階も環境も異なります。しかし、教え方というフレームを通して社員の主体性を育てることや、社員が環境変化に適応しながら成果を出し続けるためのアプローチには共通する構造があります。また、人が人を育てる営みに塾予備校という領域を超えた普遍性が存在するのも事実です。私はこれらの視点を更に磨き上げながら、これからの人材開発・組織開発に活かし続けたいと思っています。
そんな思いを込めて今回のメルマガには「予備校的思考論」というタイトルをつけました。
そして、この「予備校的思考論」は、毎週Podcastでも配信していくことにしました。まずは1年間、約50週にわたって発信していきます。
三日坊主ならぬ、三回坊主にならぬよう、人材開発・組織開発の現場で働く方々にとって、視点がひとつ増えるような示唆を届けていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。